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Eric Clapton ライブ感想まとめ

Eric Clapton ライブ感想まとめ



今回のツアーの評価、感想をネットなどで見てみるとまさに賛否両論、絶賛の声もあれば酷評の声もある。これほど意見の食い違うツアーも初めてだが、自分なりに分析、解釈をしてみたい。

来日公演やその前のヨーロッパ、アメリカでのセットを見ると、近年の定番で人気の高かったchange the worldやtears in heaven、bell bottom bluesといったサウンド面で空間的広がりを感じさせる曲、
hoochie coochie manやsunshine of your loveのような重いドラムを必要とする曲、さらにはgoing down slowやreconsider babyといったブルースでもジャズ的な要素を多く含んだ曲がことごとく外されている。

一方、今回取り上げられたのはmotherless childrenや
after midnightのような細かなリズムが重視されスライドギターが多用される曲、further on up the roadのようにブルースでもタイトなリズムが要求され、途中様々なパートのソロを必要とする曲が多い。
 
実はこれらの点に、クラプトンの強い意志が感じられる。この曲目をどのように解釈するかによって今回のツアーの評価は真っ二つに分かれてしまう。実際ネットで検索すると、「気合の入り方が違い、過去最高」との声がある一方で、「人気曲を少ししかやらない自己満足的な、最悪のライブ」との酷評も目にする。

個人的な結論を先に言ってしまうと、「近年最高のギタープレイを聴かせた素晴らしいライブ」だったと思う。初日を終えた時点ではそれまでのツアーとのあまりの違いからまだ評価の難しいライブだったが、セットを再確認し一晩考えるとそこにクラプトンの考えが見え、翌日の演奏で確信に変わり、最終日も本当に素晴らしい体験ができた
クラプトンは今回の選曲について、「不思議なことに、新顔のミュージシャンを迎えたことが、ずっと過去の作品への挑戦を可能にした」と話している(ツアーパンフ序文より)。実際、レコードを全て持っていてライブに何度も足を運んだファンでなければ、全ての曲を知っているなんて有り得ないだろう。では、何故クラプトンはマニアックなファンは別として、大多数の一般ファンを置き去りにしたかのような「挑戦」をしたのだろうか。

そこには、クラプトン自身が根っからのアーティストである事実が、厳然と存在していると感じた。今回新たなギタリスト二人を迎えたこと、特にデレク・トラックスの加入はクラプトンに「刺激」、もっと言えば「焦り」に近いものを感じさせたと思う。それが若い頃の(レイドバックする以前の最初期の)ような本当にハードでアグレッシブなプレイを自然と要求したのだろう。

それを実現するには近年の人気曲はどうしても外す必要があったし、実際このバンドでは相性が良くないと思う。Change the worldや
going down slowはネイザン・イースト、スティーブ・ガッドのコンビでこそ最高の演奏を聴かせられるものであり、サービスのために妥協することはクラプトン自身納得できなかったと考えられる。

もちろん今回のメンバーも腕利きのミュージシャン達であり普通に演奏はできたはずだが、「悪くない演奏」ではなく「最高の演奏」を聴かせたいと、誰よりもクラプトン自身が望んだ結果、このメンバーと相性の良い曲を選択していったのだろう。

一見するとファンサービスの無いつまらないセットリストという印象を受けるが(実際そう思われても仕方が無いとは思うが・・・)、実はこれほど細部にまでこだわりを見せたツアーは過去にも無かったと言える(95年の全曲ブルースツアーは企画物のため別)。そのこだわりの結果、70年代の、特にドミノス時代のナンバー中心になったのだろう。実際、大阪公演は直前のアメリカツアーに近かったが、最後の東京の方ではセットリストが半分ぐらい入れ替わり、まさにドミノスの再現といった様相を呈していた。

今回のツアーは大幅にバンドメンバーを変更し、全く新しいサウンドとなった。当初は聴き慣れたアンディ、ネイザン、スティーブ・ガッドの音が聴けないことが寂しく思えたし、実際演奏を聴いてからも今までの音が耳に残っているので多少違和感があった。だが、ステージが進行し近年と違う古くマイナーな曲が多く取り上げられている点からクラプトンの意図が次第に見えてくると、このバンドと選曲の素晴らしさが理解できた

今はもうかつてのようなマニアしか足を運ばないアーティストではなく、あらゆる世代が支持するエンターテイナーになったのだから、何もそこまでしなくも・・・との思いも無いわけではないが、70年代のクラプトンのテイストを再現しつつ、歌もギターも当時より進化したパフォーマンスを見せてくれたことが、長い間聴き続けたマニアにはうれしくてたまらない印象に残るツアーだった。
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コメント 28

ブラックアビブ (旧名 本物ホネツギマン)

素晴らしい!コメント&ルポありがとうございます。
コンサートの”その場に入る気分が”高まります。[晴れ][嬉しい顔]
by ブラックアビブ (旧名 本物ホネツギマン) (2007-06-09 12:04) 

マチャ

>本物ホネツギマンさん

ありがとうございます[嬉しい顔]
いっしょに行った知人用に書いたのですが、
大阪のレポートはあまり見かけなかったので
アップしてみました。

長文駄文、最後まで読んでいただきありがとうございました[嬉しい顔]
by マチャ (2007-06-09 13:18) 

マチャ

>jayさん

ハートありがとうございます。
こんれからもたまに覗いていただけるとうれしいです[嬉しい顔]
by マチャ (2007-06-09 15:38) 

よたろう

素晴らしいレポです。そして全く同感。ポピュラーなクラプトンをわざわざ会場にまで行って見たくないと思っていたので、今回のセットリストとプレイとメンバー・スタッフは近年の中では間違いなくベスト・ステージでした(私にとって)。[温泉]
by よたろう (2007-06-09 17:00) 

yellow32

素晴らしい総括ですね。[嬉しい顔][嬉しい顔][嬉しい顔]
YGとか、Playerとかのレポよりも詳細でホント感動します。

80年代をメインに聴いていた僕でもこのセットリストには好感持てますね。[るんるん]
もうあと何十回も来日するわけではないでしょうし。
by yellow32 (2007-06-09 17:09) 

マチャ

>よたろうさん
ご訪問ありがとうございます。
僕は97年から生で観ているので(当時大学1年でした)、最近ややマンネリに感じていました。だから今回のツアーはドキドキ感が違いましたね。

でも個人的にはネイザンとS・ガッドとアンディの方がしっくりきます。

>yellow32さん
たくさん来ていただいてありがとうございます。
なんかチャット状態ですね[嬉しい顔]
もう後何回・・・そうなんですよね。
だから大阪に来たときは複数回見てしまうんです。
知り合いには「同じでしょ?」って言われますが、
「生演奏は同じのは一回限り!」と力説してます。

ぜひ1度、生で体験してください。
by マチャ (2007-06-09 17:23) 

マチャ

>めぐみさん
ご訪問&ハート[ハート]ありがとうございます[嬉しい顔]
by マチャ (2007-06-09 17:24) 

akisan

マチャさん、はじめて、寄らせていただきます!

物凄い詳報レポートですね[ふらふら]感動しました[晴れ]

私はドラマー好きなので、クラプトンと言えば、
”スティーブ・ガッド”って感じですが、
やはり新しい風を入れるって、良いですよね。

私も常にチャレンジし続けるミュージシャンが好きです[嬉しい顔]
by akisan (2007-06-09 20:02) 

マチャ

>akisan_2007さん
ご訪問、ありがとうございます[嬉しい顔]

私もスティーブ・ガッドの方が好みです。
ジョーダンはちょっと激しすぎて・・・
でも、さすがトッププレイヤーなのは実感しました。

他に好きなドラマーは、ラス・カンケルです。
彼の独特の「呼吸」が好きですね[嬉しい顔]

今後ともたまに覗いていただけるとありがたいです。
小江子さんのブログも盛り上げていきましょう[ハート]
by マチャ (2007-06-09 20:40) 

抹茶

深い!!深すぎる!!!いや~ホント見事なレポありがとうございます。近年!?うん~オーシャン・ブルーバードから滅法ギター弾かなくなったクラプトン。ライブでもドミノスやクリーム時代のように弾かなくなりました。でも、一安心です!レポ拝見してクラプトン顕在~知ることできました。やはりクラプトンはギター弾いてこそですからね[嬉しい顔]
by 抹茶 (2007-06-09 20:43) 

マチャ

>抹茶さん
確かにソロの長さでは、クリームやドミノス時代には及びません。でも、印象として(当時をリアルタイムで知らないのであくまで音源での印象です)70年代はソロの後半でダラダラと間延びしてしまっているように思えます。

今は曲ごとに時間が決まっているかのようにきっちりと枠内に収めていますが、その分ECの持つトーン、フレージングの魅力がこれでもかと凝縮されていると思います。

次のツアーはもしかしたら今回の反動で歌ばっかりになるかもしれませんが・・・でも、その時は昔では考えられない「偉大なヴォーカリストEC」を堪能しましょう[嬉しい顔]
by マチャ (2007-06-09 20:55) 

抹茶

=====
次のツアーはもしかしたら今回の反動で歌ばっかりになるかもしれませんが・・・でも、その時は昔では考えられない「偉大なヴォーカリストEC」を堪能しましょう
=====
それも趣があって良いかも[嬉しい顔]これは叶えられない希望なんですが、B.B.とのデュエットお願い~[ふらふら]
by 抹茶 (2007-06-09 21:08) 

マチャ

>抹茶さん
同時にログインしてるのでチャットみたいですね[嬉しい顔]
B.Bとのデュエット、生で観るのははちょっと難しいでしょうね。CDで我慢しましょう。

B.Bクイーンズの近藤房ノ介さんとなら実現するかな?
by マチャ (2007-06-09 21:12) 

kaz papa

ビリーとクラプトンのライブレポートの分析力凄いですね。
恐れ入りました!最近いろんな音やライブ、あるがままにしか聴かなくなってるんで(シニアなんで・・・)、新鮮です。[嬉しい顔]
by kaz papa (2007-06-09 21:38) 

マチャ

>kaz papaさん
ご訪問ありがとうございます。
たくさん[ハート]もいただきまして、感謝です[嬉しい顔]

音源を聴いても、いつも聴き方を変えているんです。
今回はベースの音を追いかけよう、今日はドラムを中心に、とか・・・

同じライブやスタジオ盤でも、あとになって気付くことって多いですからね。メインはエルトン・ジョンなんですが、彼の場合は多彩すぎてまとめきれないんですよ[悲しい顔]
ましてやエルトンはあの強烈なキャラクターですから、常識的な分析が通用しません・・・でもそれが魅力ですね。

ビリーもクラプトンもリズム隊が交代したので、あらたな魅力を見つけようと聴いています。

レポートの長文駄文、最後まで読んでいただきありがとうございました!
by マチャ (2007-06-09 21:46) 

抹茶

オウ~kaz papaさんもおいでになって賑やかになってきましたね[嬉しい顔]そういえばピアノ・マン買ってましぇーん[悲しい顔]それに今から仕事なんで、これにて…[手(パー)]
by 抹茶 (2007-06-09 21:55) 

富士山の頂

素晴らしいコンサートレポート、感心させられたのと同時に、ライブ当日の様子を自分になりに思い出しながら、にんまりとなりました[嬉しい顔]
マチャさんほど詳細にセットリストは覚えていないのですが、「さいたま」も、ほぼ同様だった気がします。

まぁ何といっても今回のライブの目玉は「motherless children」でしたね[ハート]あの三人そろい踏みは圧巻でしたヨ!

次回の来日は何時になるのでしょうか…。
by 富士山の頂 (2007-06-09 23:43) 

マチャ

>富士山の頂さん

長文駄文を最後までお読み頂き、ありがとうございました[嬉しい顔]

埼玉公演は、ちょうど大阪と東京のあいだを取ったようなセットだったと思います。今回はほんと、初日と最終日で半分入れ替えになりましたからね。
マザーレスはドラムもゾクゾクしましたね。

次回の来日は多分来年の秋冬だと思います[嬉しい顔]
by マチャ (2007-06-09 23:56) 

neopon

ぼくの文章力ではとても無理なすごい詳細なレポートです。[ふらふら]
残念ながらぼくはクラプトンで好きなのはBlind Faithまでで、それ以降はどうも好きになれなくてあまり聴いてません。[落胆した顔]
by neopon (2007-06-10 01:09) 

マチャ

>neoponさん
コメントありがとうございます。

先日クラプトンは、Blind Faithのイベントに参加して「プレゼンス・オブ・ザ・ロード」を34年ぶりに演奏しました。03年の来日では「Can't Find My Way Home」も歌いましたよ。

確かに60年代とそれ以降はサウンドが違いますからね。
違和感がある方も多いですよ。
Creamなどが好きな方には、今のECは甘いんでしょうね。
by マチャ (2007-06-10 01:28) 

yellow32

最近では「ギターも巧く弾けるSINGER」なんですね。[ふらふら]
by yellow32 (2007-06-10 01:35) 

マチャ

>yellow32さん
笑い話なので真偽はともかく・・・
数年前の来日のとき、終演後のロビーで若い女の子が
「クラプトンって、ギターもうまいねんな~。ギタリストみたいやった」と大声で言ったとか言わないとか[悲しい顔]

大阪城ホールの帰りの環状線では毎回「コカイン最高やったな~」「めっちゃ良かった!震えがきた!」とファンが車内で話すと、コカインが曲名と知らない周囲から白い目で見られるようです。
by マチャ (2007-06-10 01:41) 

F.F.F.

熱いレポですね。EC好きなのがひしひしと伝わってきます。
武道館でも終わった後の反応は賛否両論でした。
EC=ギターの人は最近のECに期待していなく見に行ってなかったのでEC=歌い手が多かったのもその原因じゃないでしょうか・・・
ちなみに個人的な勝手な思い込みですがCreamの再結成でECのギター魂に火がついちゃったんだろうなと。
で、その時Creamナンバーをオリジナルでやったんで今回は少なくしてD&Dのナンバーが増えたのではないかと思ってたんです。
by F.F.F. (2007-06-10 03:04) 

マチャ

>F.F.F.さん
お読み頂きありがとうございました[嬉しい顔]
あくまでも私見なので、正反対の感想を持った方も多いと思いますけどね。でもそれが、ECの多彩さ、「カメレオン」と言われる所以でしょう。

Cream再結成で火がついたのは、確かだと思います。それで回顧モードに入ったようですね。
当時ウドー音楽事務所のHPで舞台裏がアップされていましたが、日本でするうちにだんだんD&D色を強めていった様子がよくわかりました。実際Little WingやWhy Does The Love~などはリハーサルで演奏しても本番では弾かなかった日があったそうです。そして最後の2~3日でD&Dモードが完成したようです。

結果的に最初4回の大阪だけが例外的なセットになりましたね。Pritendingを聴けたのがうれしかったので、満足して・・・ま・・・す・・・と言いたいですが、本音を言うと「小翼」と「悲恋」は聴きたかった[悲しい顔]

半年前に書いたレポートで、一緒に行った学生時代の恩師に送った文章なんですが、大阪の詳細レポートが検索してもなかったのでアップしてみました。
by マチャ (2007-06-10 10:38) 

tkms

はじめまして!
楽しく拝見させて頂きました。

クラプトンのライヴは、相方によって変わってきて面白いですね。私は今回はブートでしか聴けなかったのですが・・・。デレク・トラックスは実に正解だったと思います。正規盤での発売が待たれますね。
個人的には "Just One Night" "Unplugged" と並ぶ傑作盤になると思うのですが・・・。
by tkms (2007-06-10 22:30) 

マチャ

>tkmsさん
ご訪問ありがとうございます。エルトン・ファンぶりはよく存じてます[嬉しい顔]知識面でお力を貸していただけると助かります。

来日公演ではないですが、このツアー中、J.J.Caleと共演したときのものがDVDで発売予定と耳にしました。楽しみですね。

今後とも宜しくお願いします。
by マチャ (2007-06-10 22:40) 

ねろ

深くて鋭くて…読ませて頂きながら何度も「そうそう!」って言いながら頷いてしまいました。
今回のセットリストを見てると、クラプトンってまだ枯れてない、現役ど真ん中のギタリストなんだな~と思えます。
みんなが聞きたいヒット曲をさらっとやるだけでも充分なのに、あえて挑戦してましたよね。
前に進むことをやめてない。最高のミュージシャンですね。
スゴイ演奏でクラおじさんを目覚めさせたデレクのお手柄とも言えるかな…[嬉しい顔]
by ねろ (2007-06-16 00:40) 

マチャ

>ねろさん

最後まで長文駄文お読み頂き、ありがとうございました。
現役ど真ん中、その通りですよね。僕がエリックやエルトン、ビリー・ジョエルに魅了されているのも、彼らが現役バリバリのアーティストだからです。

01年のレポもアップしましたので、お時間のあるときにお読み頂けるとうれしいです。
by マチャ (2007-06-16 07:23) 

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